デジタル終活と遺品整理とは?:葬儀屋が伝える新時代

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はじめに:デジタル時代に求められる「新しい終活」

現役葬儀屋のShinoyaです。
 

近年、「終活」という言葉は広く浸透し、人生の最期に向けた準備が一般化してきました。

終活は単なる片付けではなく、家族に安心を残すための前向きな整理です。

私たち葬儀屋の現場では、葬儀や相続の相談と並んで、スマートフォンやパソコンに残されたデジタル遺品に関する相談が増えています。

本記事は葬儀屋の立場から、終活の基本、遺品整理の実務、そしてデジタル遺品対策までを具体的に解説します。

終活とは:家族に安心を残す“前向きな準備”

終活の目的

終活の目的は「死の準備」ではなく「生きるための整理」です。

自分の希望を明確にしておくことで、残された家族の負担を軽くできます。代表的な項目は次の通りです。

  • 財産・相続の整理
  • 医療・介護・葬儀の希望の明確化
  • 遺言書・エンディングノートの作成
  • 遺品整理・生前整理
  • デジタル資産の管理(デジタル終活)

特に葬儀に関しては、式の規模、宗旨・宗派、祭壇や音楽、供花の好みなど具体的に残すことで、当日の意思決定がスムーズになります。

遺品整理の現場から見える課題

遺品整理とは

遺品整理は、故人の所持品を整理・分配・処分・供養する一連の作業です。

思い出の品に囲まれたご遺族にとって、何を残し何を手放すかの判断は容易ではありません。

葬儀後には以下のような課題が頻繁に発生します。

  • 遺品が多く手に負えない
  • 重要書類(通帳・保険証券・権利証など)の所在不明
  • スマホやPCがロックされており中身が確認できない
  • 家族間の意見相違によるトラブル

これらを避けるためには、生前整理を進めておくことが有効です。

生前整理でできること(葬儀屋の推奨ポイント)

物の整理

普段使わない「いつか使うかもしれない」物を見直し、取っておくべきものだけを選別します。

写真や手紙などの思い出品は、デジタル化して保存することで物理的な負担を減らせます。

財産の整理

預貯金・保険・年金・不動産などの一覧を作り、通帳や印鑑、契約書の保管場所を明記しておきます。

エンディングノートにまとめておくと相続手続きが円滑になります。

デジタル情報の整理

スマートフォンやPC、クラウドに格納された写真・契約情報・SNSのアカウントは、デジタル遺品として遺族にとって重要な情報源になります。

ログイン情報や保管場所を整理しておきましょう。

デジタル遺品とは:見えない“遺品”が増えている

デジタル遺品の具体例

デジタル遺品は以下のようなものを指します。

  • スマートフォン・PC内の写真・動画データ
  • メール・メッセージ(LINEなど)の履歴
  • SNSアカウント(Instagram、X、Facebook など)
  • ネット銀行・ネット証券のログイン情報
  • クラウドストレージ(Google Drive、iCloud 等)のファイル
  • サブスクリプション契約(Amazon、Netflix 等)

これらは形がないため放置されがちですが、契約の継続による無駄な支出や個人情報流出のリスクもあります。

葬儀屋から見たデジタル遺品トラブルの実例

よくある相談

葬儀後に寄せられる代表的な相談は次の通りです。

  • スマホのロックが解除できず写真が確認できない
  • ネット銀行の口座がどこにあるかわからない
  • SNSに故人の投稿が残っており削除したいが手続きが分からない

こうした問題は、多くが「デジタル終活の不足」に起因します。

パスワードや契約情報を整理しておくことで解決できます。

デジタル終活の進め方(実務ステップ)

ステップ1:所有デバイスの把握

スマホ、PC、タブレットなど所有機器をリスト化し、機種名や用途を記録しておくと引き継ぎがスムーズです。

ステップ2:アカウントとパスワードの管理

SNS、メール、ネットバンキング、サブスク等のアカウント情報は一覧にまとめておきます。

紙にそのまま記載するのはリスクがあるため、パスワード管理アプリや暗号化されたファイル、あるいは信頼できる担当者に預ける方法がおすすめです。

ステップ3:重要データのバックアップ

大切な写真や書類はクラウドや外付けHDDにバックアップし、家族共有フォルダを用意しておくと確実に引き継げます。

ステップ4:削除・継承の意向を明記

SNSの扱い(削除・追悼設定等)、オンライン契約の継続可否などをエンディングノートやデジタル終活ノートに書き残しておくことが重要です。

デジタル終活ノートの活用

従来のエンディングノートに、ログイン情報や保管場所、オンライン契約一覧をまとめた「デジタル終活ノート」を付け加えると実務的に役立ちます。

記載例は次のとおりです。

  • ログインIDとパスワード(保管方法を明記)
  • 写真・動画の保存先(クラウド、外付けHDD)
  • オンライン契約一覧と解約方法
  • 故人の希望(SNSの扱い、写真公開の可否など)

筆者の会社でも、デジタル終活の書き方や共有方法に関する相談・セミナーを実施しています(大好評につき抽選制)。

専門業者との連携が鍵

遺品整理をスムーズに行うためには、専門業者との連携が鍵になります。

以下が遺品整理業者の役割と、遺品整理をする上での大事なポイントです。

デジタル遺品整理業者の役割

スマホやPCのロック解除、データ復旧、アカウント削除といった作業は専門知識を要します。

信頼できるデジタル遺品整理業者と連携することで、安全かつ確実な対応が可能です。

葬儀屋が提携業者を紹介できるケースもあるため、「どこに相談すればよいかわからない」場合はまず葬儀屋にご相談ください。

家族に迷惑をかけないための3つのポイント

  1. 情報を一箇所にまとめる:エンディングノートやUSB等、家族が見つけやすい場所に保管。
  2. 信頼できる人に伝える:情報の存在を少なくとも一人には伝えておく。
  3. 定期的に見直す:契約やパスワードは変わりやすいので、年に一度の更新を推奨。

まとめ:デジタル時代の終活で「安心の未来」をつくる

これまでの終活は物理的な整理や相続対策が中心でしたが、現代はデジタル情報の整理も不可欠になりました。

デジタル遺品を適切に管理しておくことで、家族は故人の思い出や資産を確実に受け継げます。

葬儀屋として私たちは、葬儀の実務だけでなく、終活全般のサポートを重要視しています。

終活や遺品整理、デジタル遺品のご相談はどうぞお気軽にご連絡ください。

生き方を整えることが、送り方を豊かにします。

今こそ一歩を踏み出して、安心できる未来を準備しましょう。

(デジタル遺品整理の相談と問い合わせはこちらをクリック)

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