皆さんは、葬儀屋と、そこで働く人間にどんなイメージを持っていますか?
「事務所内で笑い話や冗談は禁止」?
「口数が少なく暗い人しかいない」?
「働いていると不幸になりそう」?
普段見えないからこそ、様々な先入観がありますよね。
この記事を読むと、葬儀屋のイメージがガラッと変わるかもしれません。
葬儀屋の裏話が気になる!
そんな方に、
『葬儀屋あるある』を体験談をまじえてご紹介します。
※あくまで筆者の個人的な見解で、葬儀屋を変わった切り口からご紹介する記事なので、「イメージ崩壊が嫌だ」「不謹慎だ!」等、敏感な方は読むのをご遠慮ください。
上記を了承いただいた方のみ、参考程度に読み進めてくださいね。
葬儀屋の裏話①禁止ワードがある

世の中に多数あるサービス業、その一つである葬儀屋ですが、他のサービス業とは異なる禁止ワードが存在します。
以下でご紹介していきます。
「ありがとうございます」
お客様と電話や対面でお話をするとき、ほとんどのサービス業は「ありがとうございます」が基本ですよね。
しかし葬儀屋は真逆で、「ありがとうございます」は原則禁止です。
当然ですが、葬儀屋では危篤の人の生前相談やお亡くなりの電話を受けることが多々あるため、
電話応対でつい言いがちな「お電話ありがとうございます」はNGです。
下手すればクレームに繋がります。
「サービス業なのに、ありがとうございますと言ったらクレームになるなんて…」
お客様を楽しませるサービス業を経験してきた方からすると、何だか違和感がありますよね。
筆者も葬儀屋で働くまでは、イベント業で明るい場での接客を長くしていたため、「ありがとうございます」が癖で慣れるまでに大変苦労しました。
ちなみにイベントの予約や折り返し電話をいただいたときは「ありがとうございます」を使います。
内容によって、頭の中を切り替えて対応しています。
「危ない」
生前相談の問い合わせで、お客様が「家族が危ないんです」とお話されることがよくあります。
その際、お客様につられて「危ない方」等と言うのはNGです。
(お客様との電話中にうっかり言ってしまって注意されているスタッフも過去にいました)
危ない方⇒ご心配な方
と言い換えます。
「お待ちしております」
こちらもつい言ってしまいがちなワード。
よくある例が、故人を安置している斎場に、ご遺族が面会で来館するときですね。
何時に来館されるか、事前に電話で問い合わせが来た際に「お待ちしております」というのはNGです。
(筆者はこれ何回か言ってしまって怒られました)
「お待ちしております」⇒「お気をつけてお越しくださいませ」
と言い換えます。
その他にも、
「○○様が亡くなったときは」⇒「○○様の万が一のときは」
「故人の搬送先」⇒「お帰り先」又は「ご安置先」
漢字を説明するときにマイナスな意味の言葉(争う、下がる、失うなど)は禁止
などがあります。
葬儀屋の裏話②事務所内の雰囲気は暗い?

人の最期を扱う葬儀屋、事務所内やスタッフもしんみりとしているのでは…そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
もちろん葬儀屋によりけりだとは思いますが、筆者の会社は日頃から冗談や笑い声も飛び交っています。
お客様と接しているときはもちろん真剣ですが、葬儀屋スタッフも人間ですので、何もないときは世間話、美味しいご飯の話、ギャグを言ったりしています。
しいて言えば変わった人が集まりやすいのと、あまり堅苦しい上下関係はないです(30代~50代が役職や老若男女問わずキャッキャしていたりします)。
それでもお亡くなりの連絡が入れば、全員スイッチを切り替え、連携してご遺族とのやりとりや故人のお迎えの手配を行います。
チームワークが求められる業務だからこそ、風通しの良さは大切ですね。
葬儀屋の裏話③葬儀屋あるある

ここからは、葬儀屋(にしか分からないかも?)あるあるをご紹介します。
エレベーターが指定の階以外で開く
これは筆者が何回か経験しています。
筆者が朝の出勤時、事務所の階のボタンを押してエレベーターに乗っていたとき、別の階で扉が開きました。
降りようとして景色が異なっていることにびっくり。ご遺体を安置している階でした。
しかし葬儀屋の人間は驚きません。
と挨拶をし、エレベーターの【閉】ボタンを押しました。
故人が何か伝えたいことがあったのかと思いましたが、ちょうどその日ご遺族が面会に来られたので、ひとまず安心しました。
集荷の申し込みで聞き返される
遠方から来たご遺族の要望で、火葬後のお骨をご遺族の自宅へ郵送することがあります。
その際、集荷の電話で配送会社の方に中身を聞かれ、
というやり取りがあります。
遺骨を郵送すること自体が年数回ある程度なので、仕方ないですよね。
(遺骨郵送可能な唯一の配送会社様、いつもお世話になっております)
そもそもお骨を郵送する経験も、葬儀屋ならではですね。
芸能人の訃報のニュースを見ると妄想する
住所がそこなら火葬場はあそこで、祭壇と棺はこのぐらいのグレードだろう…。
参列者も大物芸能人ばかりだから供花や会葬御礼品、返礼品…これはすごい規模と金額になるな…。
まるで葬儀の打ち合わせをしているかのように、頭の中で葬儀プランを組み立てます。
たまに自宅打ち合わせや葬儀の会葬者に有名人がいて驚く
これは都内の葬儀でときどきあります。
守秘義務のためもちろん言えませんが、某政治家や、某女優、某映画監督までナチュラルにいたことがあります。
有名人も、家族や知人の葬儀の場では、一人の人間ですからね。
ただ事前情報なしで自宅に伺ったときにいるのは、さすがにびっくりします。
お別れの時間にもらい泣きする
葬儀や火葬の最後に設けるお別れの時間。
ご遺族や参列者がお花を一つずつ棺の中に入れていくあの時間。
普通にもらい泣きします。
葬儀屋は、葬儀のプロとしてご遺族をサポートするため、いつ何時でも冷静に立ち振る舞わなければいけません。
しかし、涙ぐみながら棺の中の故人に声をかけている姿は、何度立ち会ってもグッときてしまうのです。
”泣かないことがプロ”
というよりかは、
”もらい泣きしてもそれを感じさせないのがプロ”
というのを意識しています。
流行り曲の幻聴
一時期大流行した某曲のワンフレーズ、
「あーぱつあぱつ、あーぱつあぱつ」
これが、
「おーこつおこつ、おーこつおこつ」(お骨)
に聞こえます。
葬儀屋で働く前までの筆者の耳には、確かに「あぱつ」と聞こえていたはずなのですが、今はもう「おこつ」にしか聞こえません(本当です)。
事務所に置いてあるラジオからこの曲が流れてきたときは、その場にいる何人かは「おーこつおこつ」と無意識に口ずさんでしまいます。
条件反射です。
葬儀屋の裏話④偏見への本音
これ、本当に多く言われます。
現役葬儀屋が声を大にしていいますが、
葬儀屋は、故人を葬儀という場で丁寧にお見送りする仕事です。
年に何体ものご遺体と関わるのは事実ですが、葬儀屋だからこそ、安置から葬儀当日まで手厚く供養する体制が整っています。
むしろご導師の読経を日常的に聞いて邪気を払えているため、不幸になったり運気が下がったりすることはまずありません。
葬儀屋の裏話を知って明るいイメージへ
いかがでしたでしょうか。
葬儀屋業界とそこで働く人たちは特殊なイメージを持たれがちですが、裏話を知ることで、これまでより人間らしさを感じていただけたのではないでしょうか。
業務中に気を遣う場面が多くあるのは事実ですが、どんなときでも、故人の尊厳を全力で守り、ご遺族に寄り添う誇りのある仕事です。
この記事には筆者の個人的な見解も含まれていますので、繰り返しにはなりますがあくまで参考程度にとらえてくださいね。
この記事を読んでくださった方の、葬儀屋という場所のイメージが、少しでもプラスに変わったのなら幸いです。
葬儀屋の仕事が気になった方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。




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