現役葬儀屋のShinoyaです。
葬儀の場では、普段の生活では聞き慣れない「専門用語」が数多く使われます。
例えば、「弔辞」「納棺」「湯灌」など、一度は耳にしても正確な意味が分からない言葉も多いのではないでしょうか。
この記事では、葬儀屋で勤務している筆者が、実際の現場経験を踏まえて分かりやすく解説します。
今回は「は行〜わ行」に関する葬儀用語を中心にまとめました。
いざというときに慌てないよう、基礎知識としてぜひお役立てください。
【は行】葬儀でよく使う言葉
| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 墓じまい | はかじまい | 既存の墓を撤去して更地に戻し、墓地の管理者へ使用権を返還すること。改葬(お墓の引っ越し)の一部として行われる。 |
| 花祭壇 | はなさいだん | 祭壇を花で美しく飾る演出。色やデザインを自由に選べ、故人の好きだった花を取り入れることも可能。 |
| 彼岸 | ひがん | 春分・秋分の日を中心とした7日間。先祖供養や墓参りを行う期間。「此岸(しがん)」の対義語。 |
| 副葬品 | ふくそうひん | 棺や骨壷に故人と一緒に納める品物。故人が愛用していた物を入れることで最後の手向けとする。 |
| 布施 | ふせ | 僧侶に対して読経などへの謝礼として渡す金銭。明確な金額の決まりはなく、寺院や地域によって異なる。 |
| 仏飯 | ぶっぱん | 仏壇に供える炊きたてのご飯。仏飯器(ぶっぱんき)に盛って仏様への感謝を表す。 |
| 分骨 | ぶんこつ | 遺骨を複数の場所に分けて納骨すること。散骨や手元供養などにも応用される。 |
| ペット葬 | ぺっとそう | ペットのために行う葬儀。火葬・納骨・法要など、人と同様の形式で行うことも多い。 |
| 法要 | ほうよう | 故人を供養する仏教行事。年忌法要や回忌法要があり、節目ごとに営まれる。 |
| 菩提寺 | ぼだいじ | 代々の先祖を供養してもらう寺院。葬儀や納骨の際は、必ず事前に相談しておくのが望ましい。 |
🔍コラム:花祭壇と白木祭壇の違い
| 種類 | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 花祭壇 | 生花を使用した華やかな祭壇。オリジナルデザインが可能。 | 約30〜80万円 |
| 白木祭壇 | 白木で作られた伝統的な形式。仏式葬儀で多く使用。 | 約20〜60万円 |
花祭壇は近年人気が高まっており、色鮮やかで温かみのある雰囲気が特徴です。
故人の好みや季節に合わせて花を選べる点も魅力です。
【ま行】葬儀で知っておきたい専門用語
| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 埋葬 | まいそう | 遺体や遺骨を墓地に納めること。火葬後に行う納骨も「埋葬」に含まれる。 |
| 埋葬許可証 | まいそうきょかしょう | 納骨時に必要な書類。火葬許可証に火葬済の印が押されることで有効となる。 |
| 枕飾り | まくらかざり | 故人を自宅に安置した際に、枕元に設ける小さな祭壇。宗派によって形式が異なる。 |
| 末期の水 | まつごのみず | 臨終の際に口元を潤す儀式。死に水(しにみず)とも呼ばれ、家族が順番に行う。 |
| 守り刀 | まもりがたな | 故人があの世へ旅立つ際に身につけるお守り。木製の刀を入れることが多い。 |
| 木魚 | もくぎょ | 僧侶が読経の際に一定のリズムで打ち鳴らす法具。「ポクポク」という音で知られる。 |
| 喪主 | もしゅ | 通夜や葬儀の中心となる人物。遺族代表として儀式を取り仕切る。 |
🪷 喪主と施主の違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 喪主 | 遺族代表として葬儀を取り仕切る人。 |
| 施主 | 葬儀費用を負担する人。喪主と同一人物の場合が多いが、別の場合もある。 |
喪主は「葬儀の顔」ともいえる存在で、弔問客への挨拶や儀式進行の中心的役割を担います。
【や行・ら行・わ行】葬儀の後にも役立つ言葉
| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 友人葬 | ゆうじんそう | 創価学会会員が行う葬儀形式。僧侶を呼ばず、香典も受け取らない。遺族や友人が導師を務める。 |
| 湯灌 | ゆかん | 故人を納棺する前に身体を清める儀式。移動式浴槽を使い、家族が立ち会うこともできる。 |
| 霊柩車 | れいきゅうしゃ | 棺を火葬場まで搬送する車。近年はリムジン型やバン型が主流。 |
| 六文銭 | ろくもんせん | 三途の川を渡る際の渡し賃として副葬される象徴的な品。紙製が一般的。 |
| 別れ花 | わかればな | 出棺前に参列者が棺に花を入れる儀式。故人との最後の別れを象徴する行為。 |
🌸別れ花の意味とマナー
「別れ花」は、故人を華やかに送り出すと同時に、遺族や参列者の気持ちを整理するための大切な儀式です。
故人の棺を花でいっぱいにすることで、悲しみの中にも温かさを感じることができます。
参列時は、係員の指示に従い静かに行うのがマナーです。
【まとめ】葬儀用語を理解して心に余裕を
葬儀では、聞き慣れない言葉が多く飛び交います。
しかし、その意味を少しでも知っておくことで、儀式の流れを理解しやすくなり、心にも余裕が生まれます。
| 葬儀の場面 | よく使われる用語 |
|---|---|
| 通夜・葬儀前 | 枕飾り・末期の水・湯灌 |
| 式中 | 喪主・布施・木魚 |
| 出棺時 | 六文銭・別れ花・霊柩車 |
| 葬儀後 | 分骨・埋葬・法要 |
覚えきれなくても構いません。
少しずつ知識を積み重ねることで、いざというときの不安を和らげることができます。
本記事が、あなたや大切な方の心の支えとなれば幸いです。



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